2016年6月にフィリピンの大統領がドゥテルテに変わり、麻薬やドラッグ、大麻の取り締まりが非常に厳しくなりました。それでも一行に終わらないフィリピンの麻薬戦争。フィリピンのリアルな麻薬、大麻(マリファナ)事情を調べてみました。
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フィリピンで麻薬が広がった理由
フィリピンで麻薬、大麻が広がった理由は主に2つ。警察の汚職、環境にあります。昔からの金持ちや権力を持った政治家が直接、麻薬に関与していて警察をコントロールしている。これがフィリピンに麻薬やドラッグ全般が無くならない1つ目の理由です。
フィリピンは権力社会。金さえあれば何とでもなる国。法律に反して牢屋に入れられたとしても金さえ払えばすぐに釈放される。金持ちだけが幸せになれるシステムがあるのです。ドゥテルテ政権に変わり、何人もの政治家や麻薬中毒者が逮捕されてきましたが、それでも大統領の予想をはるかに上回る汚職で一行に終止符を打つことができない。
私の大学の先生も言っていました。フィリピンには沢山の投資があるのに、豊かにならない1つの原因は政治家が大量をお金を選挙に使ったり、直接国民のために使わないこと。(どこの国も同じだと思うが) 政府が腐っていることが麻薬が減らない一番の理由です。
2つ目はフィリピンは大麻に適し過ぎた環境があります。太陽サンサンのフィリピンは大麻を作るには良い環境で、植物の生長はかなり早い。そして栽培する土地が沢山ある。しかもその土地を持っているのはお金がある政治家など。警察に見つかったとしても全然ノープロブレムなのです。
Picture from the freeman.ph
2018年3月18日にはセブ島のトレド市の山奥でマリファナ畑がみつかりました。300,000ペソ相当のマリファナが見つかったそうです。ドゥテルテ政権になって以降、畑が見つかる事件が多くなりました。
セブ島にもブサイの山にあるマリファナ畑がある。と大学の先生に聞きました。それもセブの権力がある人が所有している土地なので警察は何もできない。ちなみにセブには麻薬王がいるくらい。裸で街を歩いていても警察に挨拶しても捕まらない。これがフィリピンの現状だ。
フィリピンでの大麻の入手方法 今と昔
現在の大麻の値段はドゥテルテ政権なる前の2倍近く。セブ島ではジョイント(タバコのような形)のものが1本30~50ペソ。パッケージになったマリファナが4グラムで200ペソで販売されていたそうです。ちなみにフィリピンではCBD(医療大麻)も違法とされています。
以前はマンゴーストリート(セブのクラブ・風俗街)を歩いていると「タイマ~TAIMA~、ガンジャー〜GANJA〜」と声を掛けられていました。クラブに行くと必ずマリファナの臭いがし、簡単に買える環境。SHABU(シャブ)やその他のドラッグもです。
現在は全くなく、個人個人での売買のみだそうです。それでも大麻とというものはどこの国でも排除することはできず、フィリピンでは政治家の権力が無くならない限り、無くなることはありません。
ちなみに麻薬と大麻の違いとは?
この記事のタイトルでもある、麻薬と大麻。この違いが分からない方もいるかと思うので違いを紹介します。
麻薬と大麻は別のもので、麻薬は主に、「アヘン・モルヒネ・ヘロイン」が代表的なもの。大麻はよく聞く「マリファナ」そのものです。どちらも日本では違法ですが、ドラッグの種類の違いということです。
アヘン・モルヒネ・ヘロインは、かも有名なアヘン戦争など依存性が非常に強い薬物で危険なドラッグとされています。一方の大麻(マリファナ)は多くの国で合法化が進んでおり、依存性もあまり有りません。むしろ、アルコールの方が人間を狂わせ、タバコの方が体に有害という意見もあります。
2020年現在のフィリピンでは麻薬も大麻も違法なので摂取することは絶対におすすめしません。しかし、ドゥテルテ大統領が眠気覚ましにマリファナを吸っているという発言を認め、大麻(マリファナ)はフィリピン南部のダバオから合法化するということが濃厚になっています。
フィリピンから麻薬を無くす方
フィリピンから麻薬を無くす方法はありません。ドゥテルテ大統領が「殺す」という方法で麻薬汚染に立ち向かいましたがこの方法でも麻薬を削除することは難しいでしょう。アメリカの元大統領・ニクソンが始めた麻薬戦争は大失敗に終わりったのにドゥテルテは大丈夫なのか?
セブの大学・サンホセ大学の国際学の授業でこんな議題が上がりました。「人殺し以外で麻薬を撲滅する方法はあるのか?」方法は2つあります。1つ目は麻薬の合法化。2つ目は娯楽を作り出すこと。です。
スイスが行った驚きの方法があります。ヘロイン使用者が増え、犯罪などが多発していたスイスではヘロインを合法化しました。更にヘロインセンターを作り、そこでは無料でヘロインを摂取することができ、シャワーやベッド、清潔な注射器が与えられるそうです。そうすることによって犯罪率は下がり、麻薬撲滅までは行きませんが経済の発展へとつながったそうです。
麻薬を合法化することにより麻薬の希少性を下げることができます。麻薬の希少性が下がる=値段が下がる。そうすると麻薬組織の資金が増えなくなる。組織拡大は難しくなります。ただフィリピンの場合合法化になったら管理することができない。スイスでは可能でしたが、管理ということを知らないフィリピン人には難しい方法です。
2つ目が娯楽を作り出す。フィリピン人が麻薬をする理由に貧困という答え方があります。ドラッグをして空腹を忘れる。ドラッグをして悲しみ苦しみを忘れる。ストリートチルドレンも空腹を忘れるためドラッグをするそうです。彼らには麻薬以上の快楽を得られるものはSEXくらいしかありません。(HIVと妊娠しまくる理由も他に快楽が無い為)
もし、麻薬をすることより楽しい社会、幸せな社会を築くことが出来たら麻薬をする人は減るのではないか?娯楽を生み出すこと。給料UPもそうだし、国民保険もそう。国民が幸せになる何かがあれば、麻薬を合法にして、麻薬中毒者を無くすことができるのではないか?
そう、サンホセ大学の火曜日6限目の国際関係学の授業で議論が飛びました。
まとめ
私の通うサンホセ大学の国際関係学の教授が言っていました。「フィリピンで麻薬を使う人が多いい理由は、貧困のためだ。格安で麻薬を手に入れ、生活のストレスを半減させる。ドラッグをして空腹を忘れる。」
私たちは「娯楽を作り、合法化にして麻薬を撲滅させる。という方法はどうか?」という結論を出しました。「娯楽を生み出す。」フィリピン人にとっての娯楽とは?幸せとは?
そもそもフィリピンには階層が多すぎてどの層のフィリピン人を幸せにしたいか?そこから始まるかもしれない。日本人であれば幸せの基準値は同じようなもの。ここフィリピンでは同じフィリピン人でも幸せの基準が余りにも違いすぎる。先進国に住む日本人が可哀そうと思うことが、ある層のフィリピン人からすれば、どうってないこともある。
麻薬があるからこそ幸せに成る人もいるのかもしれない。(もちろん他人を不幸にしては意味がないし麻薬で失敗した人には言い切れない)結局、全てのフィリピン人が幸せになり、犯罪が減ることは本当に可能なのか?
せっかくフィリピンの大学に行き、国際関係学を学んでいる自分がいつも悩み、結論が出ない議題です。