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バロットとは?けっこう調べてみた

投稿日:2017年10月13日 更新日:

フィリピンの国民的フード・バロット。フィリピンのストリートフードの代表的な食べ物です。今回、バロットの事、歴史など細かく調べてみました。

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バロットとは?

バロット

バロット(ballot)とはアヒルの卵で、アヒルが孵化する寸前の卵を茹でたものです。アヒルの種類はマガモとItik(イティック)(フィリピンのアヒル)のアヒルの卵がバロットです。ゆで卵を少しグロくしたようなもので、味はゆで卵そのもののような感じです。時々、卵を開けたら成長しかけのヒナがいることもあります。

ロットは主にストリートで売られており、16日や18日と日数が付けられたものがあります。この日数はアヒルが卵を産んで、16日目に卵を茹でた(調理した)という日数になります。

日数が大きいほど卵の中のヒナが成長しているという事なので、見た目はグロくなります。バロットは主にストリートで売られているのが14日~21日めの卵です。フィリピンで一番美味しいと言われているのは、羽、口ばし、柔らかい骨が少し確認できる段階の18日目のバロットが理想のバロットと言われています。

ちなみにこの理想の状態をタガログ語で「Balut sa Puti」と言うそうです。意味は「wrapped in white」。白い卵に包まれた聖なるヒヨコという和訳にしたらバロットに喜ばれるでしょうか・・。ちなみにバロットとはタガログ語、ワライ語で”wrapped”(包まれた)という意味です。バロットは主に2種類あり、一つはアヒルのヒナが少し形になっているようなグロいもの、バロット。

もう一つはペノイ(Penoy)といった卵です。 ペノイ(Penoy)とバロットの違いは、ペノイが無精卵、バロットが有精卵の卵です。ペノイはアヒルが卵を産んで9日~12日に茹でたものがペノイと言われることもあります。ですので、ペノイの卵の中にはアヒルのヒナがいない為、普通のゆで卵と同じです。

バロットは個人で作っている所もあればバロットの養成所のようなものも存在します。

バロットの白い硬いもの・栄養は?

バロットを分解した写真

バロットを食べるといつも白くて固いものがありますがあれはなんでしょう?この白いものは卵白が固まったものです。タガログ語でこの白い硬い部分は「Bato」と呼ばれています。意味は「石」です。これは捨てる人がほとんどですがバロットの白くて固い部分も食べられます。

卵白とは卵の白身の部分です。卵白は9割が水、1割がタンパク質や酵素でできています。卵白の役割は胚盤に栄養を与える事と細菌から胚盤を守る役割です。ちなみに卵黄の役割は胚盤に栄養を与えることだそうです。

バロットは実はけっこう栄養がある食べ物で、高蛋白質でビタミン、で様々な栄養素があります。確認されている栄養素はビタミンA、D、B6、B12、葉酸、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄分、亜鉛、チアミン、リボフラミン、ナイアシンが含まれています。かなり栄養分豊富でニワトリの卵より栄養分があるそうです。

バロットに沢山の栄養分があることは2006年、日本の御茶ノ水大学が研究をして論文を発表しています。彼ら曰く卵の中でヒナを成長させ、それをお湯で茹でることがより多くの栄養素をもたらしていると結論付けていました。

バロットは栄養分豊富なことからフィリピン人の間では、精力増勢スタミナ材としても愛されています。ビールと一緒に夜の栄養スナックとして食べられているそうです。(一部。)でも栄養分が豊富すぎるのか食べすぎると高血圧や頭痛を引き起こすこのがあるようなので1日に2.3個までが限度とフィリピン人は言いますね。

バロットの作り方

売られてるバロット

昔のバロットの作り方はアヒルが卵を産んだ後、丈夫な卵だけを選び、選ばれた卵を8日間、太陽の光で温めて適当な洋服で卵を包んでバスケットやかごの中で保温します。9日目に卵をバスケットから出し、孵化器のようなものを使い、ライトなので温めます。(現在もほとんど変わらない方法で行っている)

その後、ライトなどで卵を照らし、中にヒナの形がしているのを確認してお好みの日数(14~21日)の時に殻を洗ってお湯で茹でてバロットの完成です。卵を茹でていざ、ストリートで売る時はバロットを暖かく保温しなければいけません。

保温温度は57℃がちょうど良いと言われています。なので、バロット売りのオジサンがバロットを入れている蒸し器のようなものは中に洋服などでバロットを包み蓋をかぶせバロットの熱が冷めないようにします。 また、バロットが茹でられてからの保存期間は保温が1日、保冷期間は冷蔵庫で5度以下に保ち1週間保冷できると言われています。

後は自転車に乗って町を「バロ~ト」と言って20ペソで売る。塩、お酢をお好みで付けるのがフィリピンスタイルです。

ちなみにバロットは8日目から食することが可能だそうです。最近フィリピンの高級レストランでもバロットが食べられます。お通しやオムレツ、フライド、アボド、パイなどで使われているそうです。

バロットを食す国はフィリピンだけではなくて、中国、ラオス、カンボジア、ベトナムなど、東南アジアの中国の文化が今だ残っている国々で食べられています。その中でもフィリピンは1番盛んでバロットはフィリピンのストリートフードの王道そのものです。

バロットの歴史

ぐろいバロット

バロットはおよそ17世紀に中国人がフィリピンに伝えたものとされています。今ではフィリピンのトラディショナルフードとしてバロットが挙げられますが、元々のルーツは中国の商人や中国の移民だそうです。

その後、フィリピン人が仕事などで他の東南アジア(ラオス、カンボジア、ベトナムなど)に散らばって行った時にバロットが東南アジア中に広まったと言われています。

中国人がバロットの文化を持ち込み、その後フィリピンではバロットが爆発的人気になりました。自分たちでバロット作りを改良し、現在でも昔とほぼ同じような方法でバロットを作り続けて道端で売っているそうです。

以前、バロットの値段は15ペソ以下だったそうですが、最近ではセブ島では20ペソとバロットの値段もフィリピンの経済成長とともに上がってきています。

まとめ

道端で売っていたらたまに買ってしまうバロット。現地人のバロットの食い方は、バロットをかじってビネガーをラッパ飲みするのが本物のフィリピンスタイル。

最近、お金を持った気取ったフィリピン人は「バロットなんて食べた事な~い♡」とかほざいていますが、それはフィリピン人を辞めた事と同じ。若い金のあるフィリピン人の欧米化が進む中、ササセブは今日もビネガーをラッパ飲みしながらバロットをその辺の道で齧っています。

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